ベトナムのバイオマス発電への投資機会が急増:新FIT制度(固定価格買取制度)によりFIT価格が大幅に引き上げ

ベトナムはバイオマス燃料の資源大国

ベトナムの再生可能エネルギーの中でも、今後最も注目されるのがバイオマス発電であろう。ベトナム政府は2020年3月5日の首相決定(No.8/2020/QD-TTg)で、バイオマス発電のFIT価格を大幅に引き上げた。コージェネの場合は7.03セント/kWh、コージェネ以外の場合は8.47セント/kWhとなり、2014年に定められた旧FIT価格である5.8セント/kWhと比べて大幅な引き上げとなった。以前からFIT価格の低さが原因となり、バイオマス発電への投資は注目されていなかったが、今後はバイオマス発電への投資機会が新たに生まれてくるだろう。

バイオマス発電への投資においては、燃料の確保が大きな懸念点となるが、ベトナムは農業と林業が盛んであり、多様なバイオマス燃料が豊富に存在する。あまり知られていないが、ベトナムは世界有数の農業国であり、国際市場でトップシェアを誇る農産物や林産物が数多く存在する。

ベトナムは世界でも有数の農業・林業国

ベトナムのコメ輸出量は世界第3位の規模で2017年のコメ輸出量は約500万トンを記録した。近年では、コメの生産体制の改善により、生産効率性が高まっており、2018年の輸出量は650万トンまで増加した。また、ベトナムカシューナッツ協会によれば、2018年のカシューナッツ輸出量は39万トンを記録し、カシューナッツ輸出額は世界全体の輸出総額の60%超を占め、世界トップシェアを占めている。2018年のライチ輸出量は世界市場シェアの19%を占めており、輸出量で世界第2位の規模である。また、ベトナムコショウ協会によれば、コショウの輸出額は2017年に約11億ドルに及び、世界第1位のシェアを誇る。ベトナムコーヒー・カカオ協会によると、2018年のベトナムコーヒー輸出量は170万トンに及び、これはブラジルに次ぐ世界第2位の規模である。木材チップの輸出量も2017年に世界1位となり、100億トンの輸出量に及んだ。

この他、ベトナムは林業資源も豊富である。ベトナムの国土面積は約3,300万haであるが、森林面積は約1,400万haに及んでいる。そのうち、天然林が約7割、人工林が約3割となっているが、天然林の伐採は2014年の首相決定により禁止されている。2018年11月時点で、保護や災害防止のための保安林を除いた商業用の人工林の面積は約293万haである。特に最近は日本向け輸出を目的とした木質ペレットの生産が盛んになっており、FSC認証を取得する動きも増加しており、FSC認証取得の林地面積も増加している。

ベトナムでは多種多様なバイオマス燃料が豊富に存在

このように、ベトナムでは農業と林業が盛んであり、バイオマス燃料の資源が豊富に存在するための好条件が整っている。ベトナムのバイオマス燃料は林業系と農業系の2つに大きく分類できる。林業系バイオマス燃料は工場廃材や木くず、間伐材、林地残材等から製造される木質チップ、木質ペレットなどである。一方、農業系バイオマス燃料としては、籾殻、稲わら、サトウキビ残渣、コーヒー殻、キャッサバ残渣、トウモロコシ炭などがあげられる。こうした燃料は種類によって分布がまったく異なっている。例えば、人工林でもアカシアやユーカリ等、樹種ごとに人工林の分布は異なる。農業系でもコメや稲わらといった米に由来するバイオマス燃料はメコンデルタ地域で発生量が多い一方で、サトウキビやトウモロコシは北部から中部にかけて集中的に分布している。

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