ベトナムコーヒー市場の動向
ベトナムはブラジルに次ぐ、世界第2位のコーヒー豆輸出国である。アメリカ農務省の統計によれば、2019/20年度、世界のコーヒー豆輸出シェアで28.7%を占める首位ブラジルに次いで、ベトナムは21.8%のシェアを占め、コーヒー豆約150万tを世界各国に輸出している。国内生産量は増加傾向にあり、安定した生産量を近年でも維持している。
ベトナムでは特にロブスタ種コーヒーの栽培が盛んである。ロブスタ種に限れば、ベトナムは世界全体のロブスタ種生産量の4割近くを占めており、世界第1位の規模だ。近年ではアラビカ種の生産量が増加傾向にあるが、コーヒー豆生産量のうち約95%はロブスタ種である。
農業が盛んなベトナムであるが、コーヒーは主要農産物の1つである。2018年、農林水産物の輸出額は国全体輸出額の約16%を占め、農林水産物の輸出額は世界で15位の規模であった。コーヒー輸出はベトナムの農林水産物輸出額の約10%を占めており、コーヒーはベトナムの主要な農林水産物の1つと考えられる。
コーヒー生産量が多い上位3省であるダクラク省、ラムドン省、ダクノン省はすべて南中部高原地域に位置しており、この3省にて国内のコーヒー豆生産の約8割近くを占めている。特に、ラムドン省はロブスタ種で全体の25.8%、アラビカ種で41.8%を占める一大生産地だ。