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COVID-19はベトナム消費者の行動にどのような影響を及ぼしたのか?

COVID-19の感染拡大により、ベトナムでも衛生・健康意識の高まり、自宅での食事、Eコマースへのシフトがもたらされた。ポストコロナ時代には、ベトナム消費者がこれらの習慣に完全にシフトし、新しい常態となる可能性が高い。

コロナ発生でも旺盛な消費需要が経済を下支え

COVID-19の発生により、ベトナムにおける消費財の国内需要は、2020年の最初の2か月間で、2014年以来最低水準の9.8%の成長率を記録した(前年同時期は14.4%)。それにも関わらず、ベトナムは過去10年間で成長を続けてきた小売セクターの急速な拡大の勢いを失うことなく、堅調な成長が観測されている。特に、ベトナム消費者の心理はCOVID-19発生後でも楽観的であり、ベトナムの消費者は世界で最も楽観的であるとランク付けされている。

ベトナム全国での社会的隔離(ロックダウン)の実施により、外食は主に持ち帰りと内食に取って代わられた。その結果、冷凍食品、缶詰、即席めん、食用油などの時短調理の加工食品や調理器具の販売が急増している。消費者が家庭での料理にますます関心を持ち始めるにつれて、家庭で調理した料理の画像をオンライン上のファンページで共有するという人気も起きている。例えば、「Yeu bep」や「Ghetbep、khong nghien nha」などのFacebookグループは、毎日何千人もの新しいメンバーが参加している。

ポストコロナでも、これらの習慣や行動の多くは維持されると考えられる。ある調査によれば、アジアの消費者は頻繁に外食するという昔の習慣に戻る可能性は低いという結果もある。特に、ベトナム消費者の62%は、コロナ発生前よりも家で食べる頻度が高いと回答している。これは、「外出先でのライフスタイル」からより「安全な家庭での消費」トレンドへの移行を示しており、レストランや飲食店だけでなく、製品需要の新たな変化を受けて、小売業者が在庫確保する方法にも影響を及ぼす。

COVID-19の発生により、消費者の健康への関心が高まっているため、特殊な粉乳やヨーグルトなどの健康と栄養に資する製品、個人用の衛生製品、その他の家庭用クリーニング製品も急速に需要が増加している。例えば、手洗いと石鹸は、ベトナムの消費者の87%が石鹸で頻繁に手を洗うようになったため、2桁または3桁の売上成長を記録した。

さらに、うがい薬、ボディソープ、ティッシュペーパーなどの個人衛生製品のカテゴリでは、ベトナムの消費者がCOVID-19から身を守るための予防策(手洗い等)を積極的に行うようになったため、それぞれ78%、45%、35%と消費が増加している。コロナ後もこれらの製品カテゴリの使用に関する長期的な行動変化は維持されるだろう。

本格的なEコマースへのシフト

ベトナム人は1日の平均で約6時間42分をインターネット使用に費やしている。ベトナムの消費者、特にインターネット使用に慣れており、多忙な現代のライフスタイルの都市部の若い消費者は、Eコマースの使用に全く抵抗はない。それにも関わらず、Eコマースの普及が続く一方で、ベトナムの全体的な小売のサプライヤーチェーンは依然としてオフラインが大部分を占めている。最近のある調査によれば、小売業者の98%が売上高の大部分を占めるのは実店舗での流通チャネルと回答し、eコマースチャネルを挙げているのはわずか2%であった。

同様の傾向は、店舗ベースの売上と非店舗ベースの売上データの比較でも観測できる。店舗ベースの売上は小売売上の約97%を占め、非店舗ベースの売上(eコマースを含む)への貢献は約3%にすぎない。 2019年にCOVID-19が発生する以前は、電子機器やファッション製品などの製品カテゴリが、ベトナムのeコマースの総売上高の上位2品目として、それぞれ27%と24%で占めていた。一方で、食品およびパーソナルケア製品は16%程度に過ぎない。

しかし、COVID-19の発生は、都市部の若い消費者のみならず、幅広い消費者層と、より幅広い製品カテゴリの両方で、Eコマースチャネルへの根本的で広範なシフトを促進した。例えば、新型コロナの結果、ベトナムの消費者の50%以上がスーパーマーケット、食料品店、生鮮市場への訪問頻度を減らし、25%がオンラインショッピングを増やしている。

このように、新型コロナの発生は他国と同様に消費者行動の変容に繋がった。消費財のニーズの変化、Eコマースの普及が今後のベトナム小売市場を攻略するためのキーファクターになるだろう。

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