アフターコロナ(2021年以降)のベトナム経済の見通し

このレポートでは新型コロナウイルスがベトナム経済に与えた影響と今後の見通しについて考察したい。

2020年のベトナムの推定GDP成長率は2.91%のプラス成長であり、ベトナムはASEANでは数少ない、プラス成長を遂げ、世界で最も高い成長率を誇る経済グループの一つになっている。Covid-19の流行を防ぐ徹底的な封じ込め政策により、2021年のベトナムの成長見通しは、多くの国際機関によってかなり高いレベルで予測されている。

多くの国際機関がベトナム経済の見通しをポジティブに評価

 20211月初旬に発表された出版物「ベトナム経済成長レポート」でUOB銀行はベトナム経済をポジティブと評価した。 2020年第4四半期の予期せぬ回復により、2021年のGDP成長率のUOB予測は7.1%に上昇し、現在の政府の公式成長目標である6%を大幅に上回った。「2020年第4四半期の経済成長率は前年比4.48%で、前回の予測である4%を上回っている。加えて、2020年全体のGDP成長率は2.91%と高く、予測の2.7%やベトナムを上回っている。 新型コロナウィルズが世界中に広がった2020年にプラス成長を達成した数少ない世界経済の1つになった。」とUOBはベトナムの経済成長について述べた。

世界の成長見通しに関する最新のレポートで、UOBと同様に金融機関Fitch Solutionsは、ベトナムの成長を8.6%に引き上げると予測している。これは、以前のレポートの8.2%よりも高い値である。ワクチンが世界的に展開される準備ができていることを前提として世界経済が回復期に入るという状況で、ベトナム経済はより一層「急騰」の時期に入ると考えられている。UOBやFitch Solutionsだけでなく、その前に、国際通貨基金(IMF)、世界銀行(WB)、アジア開発銀行(ADB)などの一連の他の権威ある国際金融機関においても、ベトナムの経済成長見通しに関する評価がはかなり前向きである。

2020年10月15日~11月13日にオンラインでベトナムとIMF条約第4条に基づく「4条協議」を率いた最後に、IMFアジア太平洋局のエラ・ダブラ・ノリス(Era Dabla Norris)局長は、ベトナムの経済は2021年にGDPが6.5%で、インフレが4%の水準で回復するはずだと述べた。特に、コロナ封じ込めの成功と外国貿易の機会をうまく活用する能力は、ベトナムが2020年と他の来年に目覚ましい成長を達成する主な理由である。

同様に、2020年12月に世界銀行が発表したベトナムのマクロ経済状況の最新情報に関する報告書は、ベトナムの2021年の経済成長が6.8%と高いままであることを示した。 一方、ADBが、ベトナムの成長率は6.1%に達すると見込んでいる。これらの機関はそれぞれ様々な成長率を予測したが、来年のベトナムの成長に寄与する要因についての見解を共有しているのは、世界の貿易と投資の流れ、産業の回復、そして財政と金融政策である。

具体的には、Fitch Solutionsによると、世界経済の回復はベトナムの輸出需要の増加に役立つとのこと。 EVFTA、UKVFTA、RCEPなどの自由貿易協定の積極的な影響のおかげで、2020年までにGDPの33.7%を占める鉱工業生産と建設は、2021年も成長を牽引し続けると考えられる。「ベトナムが過去数年間に中国からのサプライチェーンを多様化する傾向の主な受益者であるという文脈において、今後数年間でベトナムの輸出を増やす大きな可能性を見込んでいる」とFitch Solutionsは述べている。

世界銀行は同じ観点から、米国とEUの経済が回復すれば、加工と製造の活動がさらに繁栄し、ベトナムの輸出需要を増やす原動力になると見解を示している。経済回復のプロセスは、新たに批准された地域協定と多国籍企業と国内企業間の相乗効果の予測によっても強化されている。UOBによると、ベトナムへの外国直接投資は、旅行制限と投資家心理の影響により25%減少して285億米ドルになった。一方、外国企業から現在のFDIプロジェクトに64億米ドルを注入し続け、前年度から10.6%の増加に相当し、将来の前向きな成長見通しを期待されている。特に、ナショナルブランドの価値が29%増加し、2020年に世界で最も強い増加となり、新型コロナウィルズによる世界的な下降傾向に逆らって、ベトナムは東南アジアでの新しい生産拠点として注目を浴びるようになった。

ワクチン普及とベトナム経済の動向見通し

ベトナムの成長見通しは非常に明るいものになるといった予測は、世界的なコロナ対策において各国がより深刻な感染症に直面している状況でワクチンを導入すること、新しいウイルス株の出現に強く影響を受けることになる。具体的には、UOBによると、ベトナム政府はAstraZeneca社から3,000万回分のワクチンを購入することに同意しているが、チュオンコッククオン保健次官が1月4日に発表した内容によると、供給の制約、輸送の困難、および国の保健セクターのインフラストラクチャーによる困りを乗り越えるために、国の疾病管理における国家能力を強化するのに一定の時間を必要とすると述べている。

世界銀行のチーフエコノミストであるジャック・モリセット博士は、ベトナムの経済は回復する可能性が高いと述べたが、それは影響を受けないという意味ではないとし、 「新しいウイルス株の急速な普及と多くの国での深刻さにより、Covid-19は世界的な優先課題となるだろう。ワクチンは強力で効果的な「ソリューション」であるかもしれない。経済のボトルネックベトナムのような開かれた経済では、世界が良くなると、ベトナム経済は確実に良くなる可能性が高い。ベトナムの先には多くの課題が待ち受けている」とジャック博士は述べている。

ワクチンの普及問題はあるが、コロナ封じ込めに成功したベトナム経済は今後も注目されるだろう。

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