介護分野におけるベトナム人材活用の可能性

日本政府は、2019年4月からの5年間で介護分野において約30万人の人材不足が見込まれると予測している。同分野において外国人人材を活用した人材の供給が急務であり、政府も様々な制度を用いて人材活用を促進している。今回は、実際に介護分野の企業が外国人人材を活用する際にどのような方法があるのかを具体的に解説していく。

1 外国人介護人材の4つの活用方法

外国人人材を介護分野で活用する場合、大きく4つの方法がある。

①在留資格「介護」の人材

2017年9月から新たに施行された在留資格であり、介護に関する充分な知識を持った人材である。この在留資格を取得するためには日本の介護福祉士養成施設を卒業し、介護福祉士の資格を取得する必要があえう。そのため介護施設で即戦力として活躍することができる貴重な人材であると言える。

②EPAに基づく外国人介護福祉士候補者

EPA介護福祉士候補者とは、経済連携協定(Economic Partnership Agreement)に基づいて日本の介護施設で就労・研修を行いながら、日本の介護福祉士資格の取得を目指す人材。現在EPA介護福祉士候補者の受け入れ国はベトナム、インドネシア、フィリピンの3カ国となっている。EPA介護福祉士候補者は実習期間を経て最終的に介護福祉士資格の試験に挑戦することになるが、平成30年度の合格率を見るとインドネシアが33.1%、フィリピンが40.3%となるなかでベトナムは87.7%(106人中93人の合格)と高い合格率になっている。

③技能実習生

2017年には介護が技能実習の対象職種に追加された。これにより最長5年間、技能実習生として介護の現場で外国人が働くことができるようになった。受入れ方法については従来の技能実習生と同じく監理団体を通して企業が受け入れる場合と、企業が単独で受け入れる場合の2つの方法がある。技能実習2号(3年目)までを良好に修了した技能実習生に関しては一旦帰国した後に、後述する「特定技能」の在留資格で再度日本で働くことが可能である。

④特定技能「介護」

介護は特定技能の対象職種となっており、その受入れ見込数は14の対象業種の中で最も数が多い6万人である。特定技能の人材は筆記・実技試験に合格、または技能実習生として実務経験を積んだ外国人であるため、相当程度のスキルをすでに持っており、即戦力として仕事に従事することができる。

2 在留資格「介護」について

「介護」の在留資格を取得するためには①日本の介護福祉士養成施設の修了 ②介護福祉士試験に合格 の2つの条件がある。資格取得の流れとして一般的なのは、まず留学生として介護福祉士養成施設で学習を行い、介護に関する専門知識を身に付ける。その後介護福祉士試験を受け、合格すると在留資格を「留学」から「介護」へ切り替えて仕事を行うというものである。2019年現在、制度自体がまだ新しいため全体として人数は499人と多くはないが、制度新設時の2017年の18人と比べて非常に増加している。またその中でベトナム人は258人と半分以上を占めている。

また介護福祉士養成施設に通う学生の数を見ると、ベトナム人学生の数が人数、増加率ともにトップであり542人となっている。これらの学生が課程修了を経て介護福祉士試験に挑戦するため、今後ますます介護業界におけるベトナム人の存在感が大きくなってくるものと考えられる。

3 EPA介護福祉士候補者について

EPA介護福祉士候補者は、看護師候補者の受け入れと共に2008年から開始され、ベトナムは2014年から受入れが始まった。2008年から2019年までの受け入れ人数の累計は5026人となっており、そのうちベトナム人は967人となっている。最新の2019年度の受け入れ人数を見ると3カ国合計は761人でベトナム人は193人である。一方で実習を経たのちの介護福祉士試験の合格率は前述のとおりインドネシアが33.1%、フィリピンが40.3%となる一方ベトナムは87.7%と非常に高くなっている。これには相関関係がある。現在EPA介護福祉士候補者の受け入れ国である3カ国のうちインドネシアとフィリピンはそれぞれ2008年度、2009年度からベトナムに先立って受入れが開始された。多くの候補者が日本の介護福祉士を目指して渡日したものの、日本語能力が不足している等の問題があり受入れ施設で充分に働くことができない、また介護福祉士資格の試験の合格率が低い等の問題が起きた。そのため2014年度から始まったベトナム人の受入れについては、JLPTのN3級以上の日本語能力を持っていることが受入れの条件として付け加えられた。そのためベトナム人の受入れは他2カ国と比べてハードルが高くなっており、そのため受入れ人数は多くないものの介護福祉士資格の試験の合格率は高くなっている。

4 今後の介護分野における外国人人材活用の展望

これまでの通り、日本政府も介護分野における人材の必要性を認識していることから「介護」、「技能実習」や「特定技能」等の制度が整備され徐々に外国人人材の活用が進んでいる。しかし民間の企業にとってはそれぞれの制度によって受入れ可能な条件や人材の質が異なるため、受入れ方法が複雑で理解しにくいものになっている。そのため優秀な人材を受け入れるためにも制度に精通した人材サービスを受ける必要がある。

【ONE-VALUEの紹介】

ONE-VALUE株式会社はベトナムに特化した経営コンサルティング、人材紹介・育成の会社です。ベトナムとのネットワークやベトナム市場への深い知見を強みとしており、特にエネルギー、スマートシティ、ハイテク農業、教育・人材は当社が最も注力している分野です。ベトナムでのビジネスにご関心のある方は是非お気軽にご連絡ください。

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