ベトナム不動産市場の概況:ホーチミン市におけるレジデンス物件市場の見通し

ベトナムの土地は土地法で定められている通り、すべて国家が所有している。そのため外資・内資を問わず個人や企業が土地を利用する場合には国から「土地使用権」の割当を受けて使用することになる。土地使用権の譲渡や貸借については明確な明文規定はないが、実務上不可能であると理解されている。

またその土地の上に建設される建物については外資・内資問わず個人や企業による所有権が認められている。そのため不動産の取引の対象となるのは日本のように土地使用権は含まれず、あくまで建物である。

1.ベトナム不動産市場の現況

不動産会社が発表した調査レポートによると、現在ベトナムの不動産における賃料は2010年代に急激な上昇に比べて落ち着きを見せており、今後はゆるやかな賃金の上昇のフェーズへと移行すると予想されている。またこれに新型コロナウイルスの影響が重なり、特にオフィス物件については在宅勤務・リモートワークを導入する企業も増えていることから、各企業がオフィス賃料を抑えようとする動きが出てきており、グレードによっては賃料が下落している物件がある。

2.ホーチミン市におけるレジデンス物件の開発状況

ホーチミン市に一度足を運んだ方であれば分かる通り、市街の中心部はすでに過密状態にあり、新規の高級レジデンス物件の開発案件は徐々に9区などの郊外、また隣接する他の省へと移っている。2010年代から加熱している不動産投資により、高級レジデンス物件は開発したらすぐに買い手が見つかる売り手市場になっており、不動産開発会社は開発が終了する前に物件を販売し(青田売り)、得た資金を次の開発へと回すことにより開発のスピードを早めている。ベトナムでは不動産価格は今後も増加していくという見通しをほとんどの国民が持っているため、投資対象として物件を購入するケースも非常に多い。

3.現在進行中の主なホーチミン市および近郊における開発案件

①Grand Parkプロジェクト(ホーチミン市9区)

(出所:Vinhomes社の公式ホームページより抜粋)

Grand Parkプロジェクト(以下GPプロジェクト)はVinhomes社が進めている全体敷地約271haのタウンシップ開発(2023年に全区画完成予定)であり、オフィス・住宅・スポーツ施設・商業施設・学校・病院・公園などの都市機能を充実させ、居住人口20万人が集う街を新たに創造するプロジェクトである。GPプロジェクトは、ホーチミンシティ9区に位置し、ホーチミン中心部から直線距離で約20㎞にあり、ロンタインハイウェイ・ハノイハイウェイ・環状3号線(2021年開通予定)等の道路ネットワークの更なる整備が進む交通利便性に優れた立地にある。また、ホーチミン市は9区及びその周辺にハイテクパークや工業団地の積極的な誘致を進めていることから、引き続き人口増加に伴う旺盛な住宅需要が見込まれている。

この案件には三菱商事および野村不動産が共同で参画をしており、区域全体へスマートシティを導入する等の計画を進めている。

②東急ビンズンガーデンシティプロジェクト(ビンズン省)

(出所:ベカマックス東急社の公式ホームページより抜粋)

本プロジェクトは日本の東急電鉄とベトナムのベカメックスIDC株式会社の合弁会社であるベカメックス東急企業が手掛ける、ビンズン省の省庁舎が移転した総面積約1,000haのビンズン新都市(2020年以内に中央直轄市に指定予定)において、街区面積約110ha(敷地面積約71ha)を対象に、約7,500戸の住宅、商業施設、業務施設などの開発する計画である。プロジェクトの中核となる高層レジデンスマンション「ソラ・ガーデンズ」はすでに2015年に竣工しており、近隣の大型商業施設「hikar」も2015年に開業している。また都市内はベカマックス東急の100%子会社であるベカメックス東急バスが、ビンズン新都市とトゥーヤモット市街を結ぶ路線「KAZE SHUTTLE」の運行を2014年に開始しました。2016年からはビンズン新都市内を循環する路線も加わり、現在5路線9系統を展開している。

不動産の開発案件がホーチミン市街から徐々に郊外へと広まっていくにつれ、経済圏もこれまで1区・3区を中心としていたものから徐々に他の地域へと広がっていくことが予想される。ONE-VALUE株式会社は政府による今後の開発計画や、ベトナム全体における不動産投資計画の情報を逐次収集している。より詳しいベトナム不動産市場についての情報は弊社まで問い合わせていただければ幸いである。

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