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ベトナムの輸入果物・野菜 ~輸入量から見るベトナムの消費動向~

ベトナムは、果物・野菜等の農産物の輸出量が最も多い国の一つとして知られているが、近年では国内消費向けの果物・野菜の輸入量も増加する傾向がみられている。この動向の要因は人口規模及び富裕層な人口が拡大していることだと考えられる。中間層の成長、平均所得の向上により、ベトナム国民の海外さんの果物・野菜のニーズが高まっている。

1 ベトナムの果物・野菜の輸入動向について 

2019年の果物・野菜の合計輸入高は17.8億USDに達しており、前年度より1.9%増加している。主な輸入先はタイ、中国、米国、オーストラリアである。そのうち、中国からの主要な輸入品は玉ねぎ、ジャガイモ、キャベツ、ニンジン、リンゴ、桃等の果物・野菜であり、低所得・中間層向けの商品区分となっている。またタイからの主要な輸入商品は、ベトナム国内で生産される果物の品目に類似しており、リュウガン、マンゴー、マンゴスチンなどである。これらは主に中間層及び一部の富裕層向けである。一方、米国及びオーストラリアからの主要な商品はブドウ、リンゴ、キウイ等の果物であり、主に贈答品で用いられる高級な部類に入り、富裕層向けの商品区分となっている。

2.各国からの輸入量の変化と原因

現在、タイと中国がベトナムの最大の果物・野菜の輸入先である。しかし全体の流れを見ると、2019年ではタイからの輸入量は一位で維持しているものの、前年の2018年と比較すると減少している。また同じく中国からの輸入量も減少する傾向が見られる。その代わりに増加しているのが米国からの輸入量である。2019年の米国からの果物・野菜の輸入量は前年の2018年より44%増加している。

この背景には、ベトナム全体の動きとして、「ベトナムで生産可能な果物・野菜はできるだけ国内産を消費する」動きがあることが原因の一つであると考えられる。国内のスーパーマーケット等では、輸入への依存度を低くするために、国内産の果物・野菜の販売を優先させるという動きが見られる。

一方、ベトナム国内で生産が難しいブドウ・リンゴといったような果物の消費量は増加しており、これがアメリカの輸入量が増加している原因であると見られる。これらの果物はベトナムの物価水準と比較するとかなり高級な部類に入るが、それにも関わらず消費量は右肩上がりであり、特に旧正月などのイベントでは非常に良く売れている。

3.まとめ 

新型コロナの影響をある程度受けているものの、ベトナムの経済成長率はプラスとなり、今後、消費市場は成長していくと予測されている。それに伴い、高級な輸入果物・野菜の需要も増えることが見込まれており、同セクターの成長ポテンシャルは非常に高いと考えられる。

ベトナムの街中のスーパーでは、一部日本からの輸入果物・野菜も見受けられるが、アメリカやオーストラリア産のものと比較するとその数は非常に少ない。検疫などの乗り越えるべきハードルはいくつかあるものの、今後日本もベトナムへの高級果物の輸出によって、販路を大きく拡大することが期待できるだろう。

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