2021年10月04日 作成 (2021年10月05日 更新)
2021.10.04 tạo nên (2021.10.05 cập nhật)
2021.10.04 create (2021.10.05 update)
解説:ベトナムでの外国人投資家によるM&A承認手続きプロセス
現在、ベトナム企業の買収について関心を持つ日本企業が増加している。ベトナムは1億人規模のを人口を有しており、安定的な経済の高成長が続いている。安価な人件費から製造拠点として注目されていたが、今後は消費市場としても注目されている。そのようななかでベトナム市場への進出形態において、ベトナム企業の買収を検討する日本企業が増加している。また、現地人材の確保という観点からも買収を検討する場合が多いと認識している。
実際、ベトナム企業のM&A件数は増加傾向にあり、ベトナム政府も外国企業によるM&Aを歓迎しており、近年になり法整備も進んでいる。ベトナムはある場合においては、M&A承認をベトナム政府から受ける必要がある。この記事はベトナム企業のM&Aに長く関わってきた専門家の立場から、M&Aプロセスの法的なプロセスと必要な書類について概要を解説していきたいと考えている。
外国人投資家による資本拠出、株式購入、資本拠出購入の形態
まず、外国人投資家による資本拠出、株式購入、資本拠出購入の形態には以下が含まれることを確認したい。
- 新規発行株式、又は株式会社の追加発行株式の購入
- 有限責任会社、パートナーシップへの資本拠出
- 会社または株主からの株式会社の株式購入
- 有限責任会社のメンバーから株式を購入して有限責任会社のメンバーとなること
- パートナーシップの資本貢献者からの持分を購入し、パートナーシップの資本貢献者となること
必要な法的M&Aのプロセス
一般的に、外国人投資家はベトナム企業に投資する際、投資にかかる申請を行う必要がある。 次に、対象となるベトナム企業は書類の内容に変更があった場合、既存の企業登録証明書(ERC)または投資登録証明書(IRC)の内容を変更する手続きを行う必要がある。
必要な申請書類
A 省人民委員会(商工局)からM&A承認を受ける場合
- 投資プロジェクト実施の申請書(※所定フォームあり)
- 投資家の資格を確認するための証明書類(※領事館の合法化手続きの実行後)
- 株主間協定、または株式譲渡契約書
- 対象事業者の土地使用権証明書(投資対象が国境地沿い地域、またはベトナムの国防および安全保障状況に影響を与える可能性のある地域で事業を行うことを許可されている場合)
B 対象企業の企業登録証明書(ERC)を変更する場合
- 法定代理人が登録した事業者登録内容変更の通知
- 新株発行または新投資家への増資を行う株主総会の決定
- 新株発行または新投資家への増資を行う取締役会の決定
対象会社の株主が外国人株主へ変更される場合に行う必要がある手続き
- 法定代理人が署名した事業者登録内容の変更に関する通知
- 出資者リストおよび外国人株主リスト
- 株式譲渡契約書、または事業者の法定代理人による株式変更の完了を証明する書類
- 投資家のパスポートまたは投資家の企業登録証明書(ERC)の公証写し
※外国の組織である株主の場合、組織の法的書類のコピーは領事館の公証を得るとともに、母国における事業者の書類であること
- M&A承諾書
D 投資登録証明書(IRC)の変更の場合
- 投資プロジェクトの調整許可申請書
- 調整時までの投資プロジェクトの進捗状況報告書
- 投資プロジェクト調整に関する投資家の決定文書
- 変更に関連する説明または書類(ある場合)
結論
以上はベトナムにおけるM&Aを実施する場会の一般的な法的プロセスである。個別の投資プロジェクトケースごとに、投資家はいくつかのステップを免除されるか、もしくは実施を求められる場合がある。さらに、ベトナムではビジネスと投資に関する法規定やガイドラインは頻繁に変更され、投資家に混乱をもたらすケースが多々ある。これらのケースに備えて、ベトナムへの投資を検討する投資家はベトナム市場に精通した専門家やコンサルタントを活用することが望ましい。
関連記事
2023.02.03
新卒・第二新卒採用
ONE-VALUEでは、ベトナムビジネスの最前線で活躍したい、日本とベトナム両国にビジネスを通じて貢献したいという意欲のある新卒・第二新卒の皆さんの採用を行っています。当社では新卒……更新 :cập nhật :update : 2021.12.24
ベトナム最大手林業企業:VINAFOR社の紹介
目次 VINAFOR社の概要売上規模所有林地FSC認証VINAFOR社の人材事業VINAFOR社と日本企業との関係双日とVINAFORが製紙用ウッドチップ製造を行う合弁企業を設立ヤ……2021.10.07
特定技能の人材はどのように受け入れるのか
2019年4月から始まった「特定技能」制度であるが、もうすぐ制度開始から1年経とうとする今、外国人材の活用はどの程度進んでいるのだろうか。また、特定技能の人材はどのようにして受け入……