2021年10月06日 作成 (2025年06月16日 更新)
2021.10.06 tạo nên (2025.06.16 cập nhật)
2021.10.06 create (2025.06.16 update)
ベトナムで最もブランド価値が高い企業(2020年版):ベトテルとビナミルクに注目

ベトナムで最もブランド価値が高い企業上位10社
この度、Forbesベトナムは、ベトナムで最もブランド価値が高いトップ50社(2020年版)のランキングを発表した。上位10社には、Viettel(ベトナム軍隊通信産業グループ ※以下、ベトテル)、Vinamilk(ビナミルク)、VNPT(ベトナム郵便通信グループ)、Sabeco(サイゴンビール)、Vinhomes(ビンホームズ)、MobiFone(モビフォン)、Masan Consumer(マサン)、Vietcombank(べトコムバンク※ベトナム外商銀行)、FPT(FPTソフトウェア)、Vincom Retai(ビンコムリテール)といったベトナムで高成長を続ける大手企業が選出され、ベトナムで最もブランド価値がある企業とされた。
Forbesベトナムは、ブランド価値が高いベトナム企業ランキングを毎年発表しているが、この度発表された2020年版のランキングに選出された50社のブランド価値の合計は126億米ドルを超え、前回のリストと比較して、22%の増加となった。そのうち、上記に挙げた上位10社のブランド価値の合計は81億米ドルを超え、昨年の上位10社の結果と比べて17%の増加となり、ランキング50社に選出されたブランド価値合計の約64.3%を占めている。
通信、飲食料、金融、不動産、小売といった大手企業を中心にランクイン
2020年版のランキングではベトテル社が首位となり、ベトテル社のブランド価値は29億米ドルを超えた。次点でビナミルク社が選出され、ブランド価値は24億米ドル。昨年はビナミルク社がトップであったが、今年のランキングでは順位が入れ替わる結果となった。(※2019年版のランキングでは、Viettel社は21億米ドル、Vinamilkは22億米ドル)
ランキング上位には、通信、飲食料、金融、不動産、IT、小売業界における大手企業がランクインしており、その多くは設立から10年以上が経過している企業である。 これらの企業は今後のベトナム経済を牽引する主要な企業であると考えられ、近年も高成長を維持している。特に上位2社のViettel社とビナミルク社は日本でも注目されているベトナム企業である。この2社について少し詳しく見ていきたい。
※フォーブスベトナムはフォーブスアメリカの算出方法に基づいて、各企業のブランド価値を計算しており、ベトナムにおける上位ブランド100社を選出後、企業の財務諸表に基づいて、無形資産として貢献する価格からブランド価値を計算。各産業における株価収益率の比較に基づいて、全体的なブランド価値を計算するほか、非上場企業の場合は、同じ業界に属する企業と比較することでブランド価値を算出しているという。

ビナミルク:ベトナム最大手乳製品メーカー。海外事業を積極展開
ビナミルク社は、ベトナム最大の乳製品メーカーであるが、主要事業として、乳製品の加工、販売、飲料・加工食品の製造販売のほか、乳業の飼育や農作物の栽培も展開している。2018年にはタインホア省に自社の牧場を展開し、投資総額は約32億円に及んだ。乳牛の飼育環境や生乳の品質管理において、ベトナムでトップレベルの設備投資を行った。
ビナミルク社が扱う代表的な製品には牛乳、ヨーグルト、アイス、チーズ、粉ミルクなどがあるが、液体牛乳は国内シェアで5割、ヨーグルトは8割と高い市場シェアを維持している。最近では、高齢化するベトナム人口に対応するため、高齢者や糖尿病患者向けの粉ミルク開発にも取り組んでいるという。
また、海外輸出やベトナム国外に生産拠点を置くなど、海外市場への事業拡大にも積極的に取り組んでいる。同社はフィリピンやカンボジアなどの近隣諸国、イラクやクウェートなどの中東諸国、オーストラリア、アメリカを含む世界40か国に輸出を行っている。
アメリカ、ニュージーランド、カンボジアには生産拠点もあり、今後も海外事業の拡大を続ける方針を掲げている。2010年にニュージーランドのミラカ社に出資し、共同で牛乳加工公表を建設した。2013年には、アメリカの乳製品メーカーに出資しているほか、2014年にはカンボジアでアンコール乳業製品に出資をしている。今後は日本を含む、韓国や台湾市場で同社の動きが注目される。
ベトテル:国防省傘下の通信最大手企業。5G開発に注力
ベトテルはベトナムで通信最大手企業でベトナム国防省傘下である。ベトナムではベトテルをはじめMB証券等、軍隊(国防省)の傘下にある企業がベトナム経済で大きな影響を持っているのが大きな特徴だ。ベトテル社は国防省が100%出資しており、ベトナム国内で約6千万人の顧客がいる。また、ベトテル社も海外事業を展開しており、同じ東南アジアに属するラオス、カンボジア、ミャンマーのほか、カメルーン、モザンビーク、ペルー、タンザニアといった後発品を中心に通信事業を展開している。
ベトテル社は次世代通信規格「5G」向けの通信機器を開発を近年積極的に取り組んでおり、2020年10月に5G通信サービスの商用化を始める計画を発表している。通信網はこれまでの4Gと異なり、国産設備のみで構築する方針だ。ベトナムでは、商工省が中心となって5G商用化を進めてきた背景があり、国内事業者の研究開発を奨励する政策を実施してきた。その結果、ベトナムは5G設備を自国生産する国になる見込みで、これが実現すれば世界でも数少ない5G設備を自国生産する国となる。
また、5Gサービスのインフラでも中国のファーウェイ製の通信機器は用いないことが現地で報じられている。東南アジアの多くの国が5G導入に、ファーウェイ製を採用する動きが強まる中、中国への警戒心が強いベトナムではそうした国とは一線を画している。今後もベトナムの通信産業の発展において、ベトテルは重要な役割を引き続き、果たしていくだろう。
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