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VIETNAM IT TALENT POOL:IT人材活用からオフショア開発まで

現在、日本においても外国人のITエンジニアの採用は多くの企業ですでに行われている。日本国内のみのIT人材では年々急増する業界の人材需要を満たすことができず、また近年は英語・日本語でコミュニケーションが可能な優秀な外国人ITエンジニアが多くいることが背景にある。その中でも特に注目を集めているのがベトナム人ITエンジニアである。またベトナムの豊富なIT人材を活用したオフショア開発も注目されている。今回はベトナムITエンジニア人材の基礎情報について、整理していく。

1.世界におけるベトナム人エンジニアの立ち位置

ベトナムでは国策としてIT教育を推進しており、年間50,000人の学生がIT系学部を卒業している。日本との国際関係の良好さを踏まえ、他のASEAN諸国に比べて日本語学習が盛んな傾向もある。ベトナムの理系大学で上位にあるハノイ工科大学では、日本のODAと連携した、日本語のできるブリッジエンジニア育成プログラム(HED SPI)も設けられている。

ベトナム政府としてはベトナム全体で現在約30万人のIT技術者を、2020年までに60万人へと倍増させることを目標としており、そのための教育インフラの整備を国家レベルで急いでいる。ベトナムの科学技術省・教育訓練省・IT業界団体のベトナムソフトウェア協会(VINASA)と言った官民主導によりIT分野における競争力強化を図っており、大学で数学や物理を専攻した卒業生のIT専門の大学・短期大学への再入学を支援し、IT企業への就職プログラムも用意している。

2.ベトナム人ITエンジニアの技術の更新方法:Self-Update

ベトナム人ITエンジニアは新しい技術の情報をインターネットのテックブログ(WEBサービス企業やゲーム開発企業が自社技術やその開発手法を情報開示しているブログのこと)やFacebook等のコミュニティで獲得している。また獲得した情報を基に新しいプログラミング言語を公式ドキュメント(Official documantation)を用いて自己学習している。彼らが自分の技術を更新する際にもっぱら用いるのは自分で情報を収集して更新していくSelf-Updateの方法であり、変化が多い業界において常に自分のスキルアップを怠らない人材が多い。

3.ベトナムで最も用いられている技術・プログラミング言語

ベトナムで最も用いられている言語はベトナムITエンジニアの中で使用率が高い、または人気のプログラミング言語はJavaScriptがトップで、その下にJava、PHP、Phytonが続いている。これは世界的なエンジニアの需要の割合と合致しており、多くのエンジニアは世界的によりニーズが高い言語を習得しようとしている。

日本国内でも需要が高い言語はJavascript、Java、PHP、Ruby等であり、これらの開発を行っている企業にとってはベトナム人ITエンジニアは魅力的な人材の宝庫となるだろう。

4.人材活用としてもオフショア開発地としても魅力的なベトナム

経済発展により賃金は上昇傾向にあるものの、人材の質・量を考慮して世界を見渡すと、これだけ優秀な人材を安く、かつ多く獲得できる国はベトナムを置いて他にない。またオフショア開発についてはベトナム政府は外資企業に対して多くの優遇税制を用意しており、アップル、サムスンをはじめとする多くのハイテク企業もベトナムにて開発拠点を構えている。ベトナム政府のITへの注力は今後も数年間続くと予測され、IT企業にとってベトナムは次なる魅力的な開拓地となっている。

ONE-VALUE株式会社
人材事業部
IT事業チーム

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