2021年10月06日 作成
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ベトナム太陽光発電2021年のFIT価格の見通し:新型コロナウイルスの影響も加わり新たな動きも
ベトナムは世界で最も再エネ開発が著しく成長する国の1つ
国際エネルギー機関(IEA)によれば、2019年に世界で新設された再生可能エネルギー発電容量は前年比で12%増加の約200GWであったと発表している。このうち、太陽光発電システムの新規導入量は前年比17%増の115GWに及んでおり、再生可能エネルギー新規導入量の約半分を占めているとされている。
また、IEAは2019年には欧州における導入拡大を見通しているが、その他にもインド、ベトナム、アメリカ、日本も成長が著しい国であるとしている。事実、インド、アメリカ、日本は中国に次いで2018年に新規導入量が多かった上位国であった。そのなかでもベトナムは2019年の急成長国として注目が集まっている。
ベトナムにおける太陽光発電の導入量は1年間で400倍に
振り返れば、2019年、ベトナムでは太陽光発電への投資が相次いだ年であった。FIT制度の期限であった2019年6月末を前に大量の電力事業用太陽光発電所が導入され、ベトナム電力公社(EVN)の統計によれば、2019年6月末までの12ヶ月で約4.46GWが接続された。このうち、4.3GWが2019年4月~6月のたった11週間の間に接続されたものであった。FIT制度適用の期限を前に接続が急ピッチで進められたことがうかがえる。2018年6月時点での太陽光発電の累積導入量はわずか10MWであったため、約1年間で導入量が400倍以上にも拡大した計算になる。
2020年6月には新たな太陽発電のFIT制度が制定
一方で、2020年4月6日、ベトナム政府は太陽発電の新たなFIT制度(13/2020/QD-TTg)を首相決定し、地上設置は7.09セント/kWh、水上設置は7.69セント/kWh、屋根置きは8.38セント/kWhとなった。旧FIT価格である9.35セントと比較すれば低い水準になったものの、屋根置きは8.38セントと、水上設置や地上設置と比べて比較的高い価格が維持されている。対象となる案件は、2019年11月23日より前に承認を受けており、2019年7月1日から2020年12月31日にかけて商業運転を開始するものと定められている。
屋根置き型太陽発電への投資機会の拡大
現在、地上設置の太陽光発電案件は案件の売買が行われ始めており、9.35セントの高いFIT価格が適用されている案件も多く出回っている。また、ベトナムの投資家は貸出金利が低い日本からの投資を歓迎する動きが強い。ベトナムでは一般的には貸出金利が10%であり、日本の投資家から資金調達を行い、既存案件への出資や売買のみならず、新規開発を進めていきたい意向も強い。特に今後は工業団地における屋根置き型等、新たな太陽発電事業の動きもみられるようになった。
2021年の太陽発電のFIT価格の見通し
ONE-VALUEは太陽光発電を含む再生可能エネルギー分野に注力しており、ベトナム商工省及び政府関係者、太陽光発電事業者へヒアリング調査を行ったところ、来年以降も現在のFIT価格を維持する意向がベトナム政府内で根強く、来年の方針についてもそのような方針で現在積極的に検討しているという。特にベトナム政府は、用地やインフラ整理をあまり必要としない屋根置き型太陽光発電(Rooftop)を継続的に普及させるため、屋根置き型太陽光発電のFIT価格を来年2021年も維持するという議論が顕著である。新型コロナウイルス拡大により、家庭での電力消費が増加したことから、住宅における屋根置き型太陽光発電の発展もこれから新たな局面を迎えると考えられる。
ONE-VALUEについて
ONE-VALUEは常にベトナムの太陽光発電市場の動向をウォッチしており、ベトナムにおける太陽光案件の買収を支援しております。今後もベトナムの太陽光発電に関する情報を提供してしきますので、最新動向や新規開発、既存案件の売買について情報をお求めの方は是非、弊社までご連絡ください。
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