2021年10月06日 作成
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ベトナムの太陽光発電市場の可能性:東南アジアにおける太陽光発電の先進国
本記事ではベトナムの太陽光発電のポテンシャルについて、インド、タイ、インドネシア、台湾といったアジア近隣諸国との比較から分析していきたい。前回の記事では風力発電についてベトナムの今後の可能性について分析し、上記の諸国との比較分析を行った。こちらの記事も参考して頂ければ幸いである。
インド:世界第6位の太陽発電の上位市場
インドの太陽光発電ポテンシャルは749GWで、この数値は他国と比較しても高い。太陽光発電協会によれば、インドの日射量は日本の2倍程度であるという。日照条件が良好であり、特に西部・南部の導入量が多い。モディ政権は経済発展・太陽光発電の開発に積極的であり、2022年までに100GWの導入を政策目標として立てている。
2018年の導入量は前年(9.9GW)を下回る約8GWであったなど、一時導入量が落ち込んだインドであったが、屋根置き型の市場が堅調に成長する見通しが高く、多くの開発済み案件が2020年以降に本格稼働する見込みだ。
タイ:今後は屋根置き型の開発が進む見通し
タイでは、2036年までに6,000MWを開発する目標をタイ政府が掲げており、東部の日射量が多く、ポテンシャルが高い。エネルギー省の試算によれば、国全体の開発ポテンシャルは42,356MWとされている。現在のところ、屋根置き型よりも地上設置型の開発の割合が高い。しかし、今後10年間にかけて、タイ国内の各地域にて住宅の屋根に太陽光パネルを設置するライセンスを付与するとの政府のアナウンスがあったことから、今後は屋根置き型の割合が特に増加するものと見込まれる。
台湾:2025年までに20,000MWという野心的な政策目標
台湾では2025年までに20,000MWという非常に高い導入目標が掲げられている。台湾は亜熱帯に属し、日射量に恵まれており、特に南部・西部は日射量が多く有望地域である。台湾では太陽光発電の国内産業が盛んであり、太陽光発電設備の国内調達体制が整っているというメリットもある。導入目標の内訳としては、2025年まで20GWのうち、メガソーラーが17GW、屋根置き型が3GWとなっている。2019年末の時点で既に4.3GWが開発済みであるとされており、2020年には2.2GW程度を増やし、合計6.5GWとする計画を立ており、今後の展開が注目される。
インドネシア:赤道直下で太陽光ポテンシャルが非常に高い
赤道直下のインドネシアは国全体で開発ポテンシャルが532GWと非常に高く、有望地域はカリマンタン、マルク・パプア地域、スマトラ地域が有望地域とされている。政府は2025年までに、6,400MW、2030年までに9.3GWの導入目標を立てている。インドネシアは多数の島から構成比される島嶼国であるという地理的な特性から、国全体を網羅するような大規模発電所を導入するのではなく、各地域での地産地消を目的とした小規模のオフグリッド電源・送電システムが好まれている。そのため、各家庭やその周辺地域で太陽光発電を行いその特定地域のみで消費する分散型システムの方が地理的制約に合致すると考えられているが、現状でも数十MW程度の容量しか導入されていないなど、開発が大きく遅れているのが現状である。
ベトナム:慢性的な電力不足と日射量条件が良好なベトナム南部地域
最後にベトナムであるが、ベトナム政府は2030年までに12,000MWの開発という高い目標値を掲げている。これは近隣諸国と比較しても高い目標値だ。中部から南部地域にかけての一帯が有望地域とされており、メガソーラーの開発ポテンシャルは20GW、屋根置き型(商業施設、住宅)は2~5GWとされている。有望地域である南部地域は特に電力不足が懸念されている地域でもある。ベトナムでは2000年以降、年率13%程度の電力需要の成長を維持してきており、商工省の資産によれば、ベトナム南部では、2021年に3.7TWh、2022年に約10TWh、2023年には約12TWhが不足することが見込まれている。
太陽光発電のFIT価格は2020年6月に改定されたばかりであるが、屋根置き型のFIT価格8.38セント/kWhは今後数年間にかけて維持されると、ベトナム電力総公社は発表しており、今後は屋根置き型の太陽発電の開発が急速に進んでいくものと考えられる。
電力不足が慢性的に不足している南部は太陽光発電ポテンシャルが高い有望地域であり、政府の積極的な優遇措置により、ベトナムはアジア地域の中でも特に太陽光発電市場の成長ポテンシャルが高い国と考えられるだろう。
東南アジアの太陽光発電先進国:ベトナム
ベトナムはインドや日本といった世界的な太陽光発電のリード国には及ばないものの、東南アジア諸国内では太陽光発電の開発を積極的に開発している国の1つであり、開発も実際に進んでいる。また、ベトナムは依然として電力不足のリスクがあり、今後の電力需給のバランス是正のために、太陽光発電の開発は社会、経済の観点からもニーズが高く、太陽光発電への投資は政府にも積極的に歓迎されている。日本企業にとっても投資の機会は確実に高まっていくだろう。
ONE-VALUEについて
ONE-VALUEは常にベトナムの太陽光発電市場の動向をウォッチしており、ベトナムにおける太陽光発電案件の買収や出資の検討を支援しております。今後もベトナムの風力発電に関する情報を提供してしきますので、最新動向や新規開発、既存案件の売買についてご関心のある方は是非、弊社までご連絡ください。
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