2021年10月06日 作成
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2021年以降に深刻化するベトナムの電力不足:再生可能エネルギー開発が加速【後編】
※本記事は後編記事となります。前編記事は以下の記事をご覧ください。前編記事では、ベトナムの再生可能エネルギーの現状や機会について述べたが、後編記事では課題と今後の見通しを中心に分析を続けていきたい。
再生可能エネルギー開発の課題:高額な投資コスト
課題の1つが高額な投資コストの問題である。Trung Nam投資建設株式会社代表のNguyen Tam Tien氏は設備の殆どは海外から輸入しなければならないため、風力発電の投資コストは非常に大きくなっているのが現状であると述べている。そのため、同氏は政府の優遇政策は拡大すべきであると見解を述べている。
同じく、ベトナムクリーンエネルギー協会の科学評議会の会長であるNguyen Manh Hien博士は、再生可能エネルギー開発を促進するためには、投資コストの削減を目的とした電力料金、金利に関する更なる優遇政策が必要であると述べている。一方、ベトナム経済研究所所長のBui Quang Tuan准教授は、ベトナムの経済成長の戦略が拡大から深化の面が問われる中、再生可能エネルギーの開発、特に民間企業や外国企業からの投資を誘致するため、資金を生み出すための多様な政策の導入の必要性を主張している。
投資環境の改善に向けた政府の取り組み
こうした問題に対し、商工省副大臣のHoang Quoc Vuong氏は国家のエネルギー需要を満たすために、今年2020年2月11日付け、「2030年までのベトナムの国家エネルギー開発戦略、2045年までのビジョン(政治局決定No.55-NQ-TƯ)」の実施に焦点を当てるとしている。この決定では、2030年、2045年をターゲットとして国内のエネルギー開発戦略を定めている。同氏によれば、「現在、商工省は入札制度を含めたあらゆる方法を検討しており、太陽光発電の開発に投資を行う投資家の選択メカニズムを策定している。これらのメカニズムの導入により、透明性が高く、オープンな競争環境が生み出され、投資家にとってより多くの条件を作り出すと同時に、電力需要への対応が可能になるだろう」と述べている。
電力不足への対応とクリーンエネルギー開発の両立に期待
今後、商工省による再生可能エネルギーに関する優遇措置の改革は進んでいくものと考えられる。電力不足への対応だけでなく、よりクリーンなエネルギー開発が今後進んでいくことが期待されるが、商工省による取り組みについては今後も注視していきたい。また、ONE-VALUEはベトナム電力公社、商工省のほか、再生可能エネルギー開発に関わる企業からベトナムの再生可能エネルギー(風力発電、太陽光発電、バイオマス発電)に関する最新動向を常にウォッチしております。再生可能エネルギーに関する事業展開、投資、M&Aについてご関心のある方は是非ご連絡ください。
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