インサイト

ベトナムの屋根置き型太陽光発電:2021年以降のFIT価格見通しと案件開発のステップ(後編)

※本記事は後編記事となります。前編記事は以下の記事をご覧ください。

ベトナムの屋根置き型太陽光発電:2021年以降のFIT価格見通しと案件開発のステップ(前編)
ベトナムにおける屋根置き型太陽光発電 以前より、当社のレポートではベトナムにおける再生可能エネルギー、特に太陽光発電について分析を続けてきた。本記事では前編と後編に分けてベトナムの屋根置き型の太陽光発電に焦点を当てて深堀していきたい。ベトナ

本記事では引き続き、ベトナムの屋根置き型太陽光発電のポテンシャルについて、2021年以降の見通しを中心に分析していきたい。

屋根置き型太陽光発電の2021年以降の見通し

記事の前編でも述べた通り、ベトナムでは屋根置き型太陽光発電のFIT価格は2021年以降も現行の8.38セント/kWhが数年にわたって維持されるとベトナム電力総公社(EVN)は発表しており、中長期にFIT価格が見通せる状況にある。この点で地上設置型や水上設置と比べて意思決定の材料が多い。

設備容量が1MWを超えるかが重要な基準点

屋根置き型の場合、特に留意すべき点は導入する設備容量が1MW未満か1MW以上のどちらになるかという点だ。ベトナムの法規定では、1MW以上の場合、各省人民員会・商工省が定める電力開発マスタープランへの案件の追加申請及びそれに付随する関連手続きを実施しなければならないと定められている。一方で、1MW未満の場合は電力開発マスタープランへの追加申請は不要となり、非常に簡潔な手続きで開発を行うことが可能となる。開発にかかる時間が1MWを境に大きく異なり、1MW以上である場合は少なくとも半年から1年以上の時間が必要となるとも言われている。

1MW未満の屋根置き型で推奨される実施方法

一方で、1つのSPC(特別目的会社)で複数の屋根置き型を開発する場合でも、1MW未満の複数案件における各接続箇所をそれぞれ別の箇所にすることで、個別の案件おいては1MW未満での手続き、全体で1MW以上の案件を開発することもベトナムの法規定上可能である。

屋根置き型案件の開発・電力購入料金の支払いフローチャート

以下の図表はベトナムでの屋根置き型太陽光発電の開発フローチャートである。屋根置き型を開発する場合、投資家側とEVN側の実施事項について、時系列的に整理したものだ。また、もう1つの下記の図表はEVNによる電力購入・電力料金の支払いに関するフローチャートであり、こちらも時系列的に投資家側とEVN側に分類して詳細を整理している。これらのフローチャートの詳細については是非、弊社ONE-VALUEまで直接ご連絡頂ければ幸いである。

図①:ベトナムでの屋根置き型太陽光発電の開発フローチャート

図②:EVNによる電力購入・電力料金の支払いに関するフローチャート

ONE-VALUEについて

ONE-VALUEは常にベトナムの太陽光発電市場の動向をウォッチしており、ベトナムにおける太陽光発電案件の買収や出資の検討を支援しております。今後もベトナムの太陽光発電に関する情報を提供してしきますので、最新動向や新規開発、既存案件の売買についてご関心のある方は是非、弊社までご連絡ください。

関連記事